海の向こうの風景

地平の更にその海の向こうに生きて来た日々

海の外に憧れ、そこにひたすら生きて来た。五大陸、四十数ヶ国に旅し、途中、サウジアラビアと米国に約八年間住み着いたものの、年月を重ねると望郷の念、止み難し。その四十有余年を振り返り長い旅を終えることとした。

はるかなり土漠行(5)リヤド徒然記 1994.02.03記

<1994年サウジアラビア駐在時の随想を原文のまま転載> 首都リヤドから東部アラビア湾に面するアルコバールまで車を駆って往復することしばしばであるが、片道400Km、所要3時間超の土漠行はさしも文明の利器にても疲労困憊す。道行き目を楽しませてくれるも…

中世王権社会に暮らす密かな喜び(4)リヤド徒然記 1994.01.27記

<1994年サウジアラビア駐在時の随想を原文のまま転載> 過去へのタイムマシンに乗りたければサウジアラビアへ来い、未来のタイムマシンは東京にある、と常々考えている。 サウジアラビア王(初代、第7代) この両極端を行き来する自分がSF小説の主人公の一…

教会建築に見る西欧権威主義とイスラム精神主義(3)リヤド徒然記1994.01.20記

西欧諸都市に遺る教会建築はどれをとっても荘厳にして威圧的であり、とても好きになれません。 ゴシック建築の粋なぞと賛美するような代物では決してないにもかかわらず、皆して休暇旅行の機会に訪れ、さぞや素晴らしいと嘆息し、自国の貧相な現代建築に思い…

黄金色の王城、豊穣の地 リヤド徒然記(2)1994.01.13記

<1994年サウジアラビア駐在時の随想を原文のまま転載> 火の海というべきか、黄金色の海というべきか、砂漠の上に忽然と輝き現れるリヤドの夜の俯瞰は、おそらく宇宙都市を想起するに相応しいのであろうが、むしろ歴史に燦然と足跡を残したイスラム帝国の王…

コーランの音色に魅せられて リヤド徒然記(1) 1994.01.06記

筆者は1991/6 ~ 1995/1の間、湾岸戦争終結直後よりサウジアラビアの首都リヤドに駐在した。この時に綴った随想(*)を書架の奥に放置していたことを思い出した。何分、若い頃に綴ったもので読むに堪えない部分もあるが、そのままをここに転載し、当時の日々…

伏流水 アメリカ回想(1)

2000年を迎えた時、”新世紀”に”新生活”が始まる、そう思いたかった。人の人生でそうそうあるタイミングではない。この年の6月、ニューヨークに赴任した。実際は、2000年は20世紀最後の年で、新生活は”世紀末”に始まったと言う訳だ。この一年差は微妙である。…

海の向こうの不確かな美 徒然記(1)

昔から芸術作品というものにどう接したら良いのか教えを請いたかったものだが、ついに果たせぬままである。 絵画や彫刻の類においては人一倍鑑賞下手なのである。自慢するようで嫌味かもしれないが、世界中の数々の美術館、博物館を訪れた。だが立ち尽くす…